アル中男の逸話/壽瀬 チカ
 
憎憎しい自分が頭をささえながら、夜明け、千鳥足で家に辿り着くリプレイ。 思い出せるのはこのリプレイだけだ。一杯だけでは物足りず、二杯目で懲りない。頭に指を突っ込みもじゃもじゃとしてベッドに倒れこむと、これ見よがしにピンで紙が留めてある。
“さよなら。もう二度と会わないわ。 ステファニー”
?何てことだ?
窓の外を見ると、太陽はオレンジになって沈み始めている。
遠い上空で鳥が鳴いて飛んでゆく

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