バナナを買って、帰ります。/かなりや
ぼくは
きみに勝ちたかった。
なにで勝てるか
そもそも勝ち目なんてあるのか
とか
考えたけど
結局いつもこたえは出ないので
ただやみくもに
きみの上に立とう
立とう
と
していた。
ねえ 熱帯果物の大王って知ってる?
しってるよ〜バナナでしょ?
馬鹿 ドリアンだよ
ああ 花輪くんがおふろの後にたべるやつ?
えっ・・・あ・・・
あたし的にはバナナなんだけどな〜
じゃあ 熱帯果物の女王って知ってる?
しってるよ〜バナナでしょ?
馬鹿 マンゴスチンだよ
ああ あの給食にときどきでたやつね
えっ・・・あ・・・
あれさ〜みんな食わず嫌いするから30個くらいおもちかえりしたよ
いつだって彼女に勝てないのはわかってたけど
いつだって認められずにいた。
でも
なぜか次の日の夕方には
バナナを買ってしまうんだ。
だから
きみには一生勝てないきもするけど
バナナを食べながら今日もまた
きみに勝とうとあがいてみるんだろうな。
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