フライト/
眠離
明けてゆく空を見る一歩手前で
静かな時間に別れを告げている
飛行機の向かう彼方には気持ちを
無数の戦車の這う此処にはこんな体を
泳がせて様子を見ている
教室の引き戸に力を込めると
開くのは別の世界だった
線を描く指に未来を預けると
作られるのは貴方の世界だった
手を振り回せば壮大な音を立てて
粉々に割れていきそうな硬い空気
その中で確実に熱を持っている
それが無駄ではないかと一人問う
私の手のひらに煌きは未だ見えませぬ
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