シックス・センス/サカナ
 
 私の感覚は
 まだ肌の下で眠っているというのに
 その中の一番厚いところで
 あなたの礫が
 私の肌を狙っている
 口もなく
 閉ざされた
 私はそれを避けることもできずに
 (あなたはそれでも無表情で)
 体腔をかかえたままの
 新しい生物のように
 ただ、黙って
 目を瞑るのだった


  
  空を切る音
  あれは、空を切る何がしかのもの
  あれは、礫ではない
  礫であって、礫ではない 
  空を切る音
  そして
  壮絶なノイズが
  私の肌を揺るがしに来る



 僅かな香りに口を開く
 肌の奥の緻密な層が
 逃げ場を
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