画家/
砂木
知っていた
生徒である私が 詩を書くと知った時
読むから持ってきなさい と言ってくれた
絵描き とは何者であるか 知らなかった
訃報 葬儀 癌であった 四十四歳
そして 私はふらっと 絵を見に歩くようになった
先生を亡くした喪失感と 死が
私を 絵の中にひきこみ
絵は 色を散らし 線を裂き 手をのばし
虚しさを 抱き とって くれた
ずっと 忘れられなかった
窓辺に ただ立ち尽くしていた姿
情熱に 焦がれた 視線を
03 07 06 著
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