脱皮/なかやまそう
 
季節ごとに
色とりどりの
抜け殻を残し

また新しく
はじめる一日は
きっと爽快で

陽がさしこみ
はじめる
山々の稜線は

そんな
新しい人を
待っている

まだ走り出さない
静かな東京で
ひっそりと
明け方を待つ
その真摯な
寝顔は

透明な朝の空気と
溶けあい
柔らかな光と
ひびきあう

おおきなカバンから
はみ出した
僕の抜け殻は

過ぎた日を
偲ばせる
重たい荷物で

何ももたずに
新しい日を
享受する
無垢な気持ちは
追い風となり

いただきますと
パンをかじる


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