海辺 の          (二連作)/砂木
 
へ 歩いているのか なんて

何 の役 にたつのか

うみ風に からまり つき
のみこまれていく 声

じゃまな死体は うちすてて
靴なんか はいたままでいい
誰も 傷ついたりしない

おかしくて おかしくて

帽子が 飛びそうで
抑えたままだったが

膝をついて くずれこんだ時
何もかもが とんだ

どこへでも いい
どこにでも

ずうっと 本当は こうして
砂をにぎって 生きたいんだ


 海辺の 030613 海辺 の 古い砂  030615  著
戻る   Point(9)