我も行人秋のくれ/藤原 実
-という事態に、はたしてなるんでしょうか?
ぼくは十代のころに少し詩を書いて、それからおととし詩作を再開するまで、二十年近く詩から離れてしまっていたために知らなかったことなのですが、最近読んだ『詩とは何か』(嶋岡晨著/新潮選書)によると現代詩の世界でも山本太郎の詩をめぐって盗作さわぎがあったそうですね。山本の初期作品に彼の友人の作品からの剽窃とみられる部分がまじっているのではないかと、その友人から告発されたそうです。山本太郎は明快な反論もできないまま、著作集の刊行が中止されたりしたそうです。ぼくは、高校時代に投稿していた受験雑誌の文芸欄の選者が山本太郎だったこともあり、彼の詩や評論を読ん
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