我も行人秋のくれ/藤原 実
 
的所有権などということがうるさく言われる時代であり、まさか大いに盗作すべきだ、とはぼくも考えていませんが、しかし、法やモラルのモンダイに即、議論が流れていってしまうのはなんだか違うような気がします。


オリジナリティがイコール芸術性の基準であるような価値観が、じつはいつ崩壊してもおかしくないものであることは、べつにベンヤミンやボードリヤールをひきあいにださなくとも、ぼくたちが日々感じていることではないか、と思ったりもするのです。




          (初出:1999.10 @ニフティ<現代詩フォーラム>

**参考リンク
高柳重信『「書き」つつ「見る」行為』(http://www.h4.dion.ne.jp/〜fuuhp/jyusin/jyusintext/jyuusinkakimiru.html)。俳人から見た草田男と介子の句の違いについて。

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