コトバの魔法/なかやまそう
 
もし僕のコトバに
魔法がかかり

もし僕に
希望や慈愛を
伝えられる器が
あるのなら


なにものでもなく
自然の一部でしかない
僕のたった
ひとつのコトバを

今宵息吹かせ

真っ黒な闇に
差し込む
まっすぐな
満月の光となり

大地を照らす
断片になれるのであれば

誇りまみれなエゴも
みにくい垢も
不必要な欲望も

なにもかも
ほうりなげ

流れる
自然にすべて

無垢なコトバを
ゆだねたい


戻る   Point(0)