8月4日 (または、いかにして少年は詩人へと変貌を遂げるのか)/コトリ
 
かえりのでんしゃは
まどの外が
ぜんぶ田んぼで
ずっと同じで
どれくらいすすんでいるのか
分からなくなったんだ。


けれど
とおくで
小さなおばあちゃんが
ごみをもやしていて
そこから
まっ白なけむりが
ほやりとのびていたんだ。


けむりは
おばあちゃんが見えなくなっても
田んぼの上に
まっすぐまっすぐのびていて
またすぐに
どれくらいすすんでいるのか
分からなくなったんだ。


(けれど
風とでんしゃとが
同じ方にすすんでいることが分かって
でんしゃは風の力でうごいていることが分かって
ぼくは
とてもうれしかったんだ。)


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