彼女という人は/Monk
 


彼女という人は
詩人とかそういう類の人みたいで
ときどき僕を近所のファミレスに呼び出しては
伏目勝ちにちょっと小難しいことをしゃべり
左手に持ったフォークでグリーンサラダにやつあたりします。
僕にはメタファーなんて言われてもよくわからないので
目の前のあわれな野菜たちに同情していることが多いのですが。


ある日曜日には彼女はベージュのカーディガンを着ていて
「あたしはもう、あたし自身のことしか書きたくないの」と言いました。
「それでいいと思うよ」と僕は言いました。


次の日曜日には彼女は真っ赤なくちべにをつけていて
「あたしはもう、恋愛のことしか書きたくな
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