緑の生き物たち/肥前の詩人
 
                   こうず  まさみ
 梅雨が明けると
 辺りは緑一色
 眼に優しいその色は
 穢れを知らない少年のように
 きらきら 輝いていた

 ぼくは
 緑の食べ物を収穫するために
 雑草と呼ばれる大勢の仲間たちを
 刈り取らなければならない

 もし
 山から流れ出す水は何色と訊かれたら
 ぼくは
 ためらうことなく
 緑色と答えよう
 多くの緑の命を吸収してきた水だもの

 心から両手合わせ
 ぼくは
 季節の生き物たちを刈り取る
 細い茎を通って一枚一枚の葉たちが
 確かな空間を占めているその生命力に
 応えるために
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