沈く金花/むくげ
 

もう、交わらない。すれ違う事すらない。
しかし、それは
痺れるほどに甘い思い出の中で、確かに息づく愛おしさと共に
色褪せながらも、 私が忘れることはないだろう。

私は追わない。彼も追わない。
過ぎた道に落ちていく、ころころと転がるその想いを、
今なら躊躇わず「恋」だと言える。
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