当たり前に死んでいくだろう/カンチェルスキス
 





 炎天下の国道で生まれた俺は本能的に四つ足で生きる
 燃える街路樹は火力を増して
 国道を走る車の後部座席を焼き払う
 揺らぐアスファルトの先で生まれた幻影を打ち破る視力を
 太陽の黒点を見据える視力を俺は手に入れたいのだ
 機械じみた空気の言いなりになった俺たちの背骨が
 求めるものは縦の位置からはじまる外科手術だった
 過呼吸で繰り返されるぶざまな失態 
 工場から直送された俺たちが
 国道や街にあふれて共食いをはじめている
 酸素が無いと誰かが言うのを俺は聞いた
 俺たちが笑えるのは劣った自分に対してではなく
 自分よりも少し劣ってると思える人間た
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