日々のうた/銀猫
 
銀の針に
雨糸通し縫い合わす
宵の衣の白さ哀しき


空揺れる
ブランコ振り子に
時忘れ
むかしと今を行きつ戻りつ


約束も出来ぬきみ待つ日も翳り
小さき溜息
風にさらわれ


不意の雨
傘を持たぬは常なりと
飛び出すきみの愛し靴音


豊かなる
こころの糧に気働き
あすの己に還すべき無心



戻る   Point(9)