ムカシ話/チアーヌ
 
っくりして泣きましたが、弟は平気な顔をしていました。

次の日、姉と弟は、集まってきた村の人に殺されました。
お父さんとお母さんは、たくさんのお酒を飲んで、にこにこ笑っていました。
姉と弟は、目をくりぬかれ、体の皮を丁寧にはがされ、中の肉と骨と内臓は棍棒で砕かれ、ビニールシートの上で丁寧にぐちょぐちょに踏み潰されて骨交じりのミンチになりました。
村の人たちは皆お酒を飲みながら楽しそうに、交代でがんばりました。
そしていよいよ、それらのミンチ肉を、特別な壁材と混ぜ、少し古くなってきていた壁に塗りこめました。
そして最後に、姉と弟の皮を伸ばして貼り付け、家は見違えるほどきれいになりました。
「これでこの家は安泰だ」
お父さんもお母さんも大喜び。
そして二人の目玉は、最後に家の前で焼かれました。

目がひとつだけだった頃のお話です。ムカシ、ムカシ、の。




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