残像/ななひと
伸ばす 手 緘黙 する 羊 隔離 された ひとときの 表情 揺れる 記憶 感情
は むしられた 鳥 の ように 震える。
無音 の フィルム 引き裂かれる 裸体 小動物 の 群れ は 波打つ 意識 の
閾 から こぼれ落ちる。
反復 する 痙攣 の 音楽 時とともに 呼吸 敷き詰められた 無垢 を 踏み 歩
く 過剰 な 人影 よ。
緩やかに 沈む 幼い 視野 は 世界 を 繊維 として かき寄せ、
人々 は 重なり 合う 残像 として 写し とられる。
時 を おかず して 鐘 が 鳴る。 記憶 に 染み を つける ように。
指紋 の 陰 から 覗く 片目 は 孤立 した
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