根源的な私的リビドーとアップルフレイバーのキャンディー/芳賀梨花子
こでキャンディーを舐めているわたしはわたしではないの
わたしのなかば容器のようなものであり、わたしではないの
わかっている、わかっているの、わたしは容器に愛を注ぎたい
内分泌ではすまないこの愛を
それは、おかあさまがいう産み落とす痛みを知ること
娘よ、賢き娘よ、だが臆病な娘、なにをためらうことがあろうか
お前はなにを注ごうと言うのか、愛なのか慈愛なのか
慈愛などお前には不釣合い汚れた血から生まれた娘よ
すべてから目を逸らすものに愛を知る術はないのだ
わたしは愛を産むわたしの娘たちも愛を産むわたしの娘たちの娘たちも愛を産む
お前もわたしの娘です、快楽と
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