夜の傷/mina
らいない独り暮らし。
一体、何物がこのわたしの乳首に噛み傷をつけられるというのだ。
わたしは恐怖におののき、
周囲を窺がうように頭を廻らした。
静寂。
救いようのない暗闇。
その途端に、わたしには、もう1人の私が素裸で夜の街を疾走する姿が見えた。
それは狂気に満ちた、恐ろしく扇情的な光景だった。
思わずまぶたを閉じたわたしの脳裏に容赦なく焼きついたその光景。
ぷるぷると上下する乳房と風にそよぐ陰毛。
ああ・・・
あああ・・・
わたしは・・・。
私は・・・。
わたしは、夜、1人で眠るのが恐ろしくて堪らなくなった。
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