梓野玉扱キ家物語/加藤泰清
最上級の褒め言葉といえば「あら、とっても
素敵なお洋服ね」などという言葉しか知らな
い。よく考えてください、と担任の及川に言
われたこともあったが、彼はその話になると
いつも私のスカートの中に手を入れ下着の上
から陰部を捏ね回す様に触ってくるので、私
は考えがまとまらずその為居残り授業が多く
なるのです。そう母親に説明すると「あら、
は血が垂れ流されている。気づくともう百メ
ートル先から血の跡が点々と続いていた。電
柱の裏からフードを深く被った大男がじっと
こちらを覗いている。見られている。私は走
一杯のビールを飲み干すの
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