夢見た。/あさみ
 

 ぼんやりとした意識のまま
 現状を把握しようとあたりを見回した

 仄かな光を灯す街灯の上から
 見下ろす街並みは、クリスマスの雰囲気に酔いしれ
 歩く人々は 幸せそうに 笑顔 笑顔

 やわらかな ネオンの光
 雑踏に混じって 遠くから聞こえる クリスマス・ソング
 時折聞こえてくる笑い声は どれもが幸せに満ちている


 さむい


 鼻先に感じた冷たさに、ふと仰ぎ見た空
 ちょうど 雪が降り出したところだった
 薄く アスファルトを覆うように積もっている根雪の上に
 新たな粉雪が落ちては溶け、踏まれては溶け、少しずつ積もっていく。


 雑踏。
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