ひかりから みずから/
木立 悟
雨をすぎ
傘の群れ 足跡の道の終わりに
水の枠からあふれだす水
ひりひりと明るい泪を知る
絞め殺さるる声うずたかく
やがて原にくずれ倒れる
目の奥の憎しみもよろこびも
洗い流せず去ってゆくもの
濡れた土にはばたく手のひら
指から指へのくちばしのうた
うたうことなくうたいつづけ
生まれつづけ生まれつづける
どこにでもある水をはじまりを
からだの内に外に聴くとき
死すもの生まれしものの向こうに
そのままのそのままの花房を見る
戻る
編
削
Point
(6)