ひかりから みずから/木立 悟
 

雨をすぎ
傘の群れ 足跡の道の終わりに
水の枠からあふれだす水
ひりひりと明るい泪を知る


絞め殺さるる声うずたかく
やがて原にくずれ倒れる
目の奥の憎しみもよろこびも
洗い流せず去ってゆくもの
濡れた土にはばたく手のひら
指から指へのくちばしのうた


うたうことなくうたいつづけ
生まれつづけ生まれつづける
どこにでもある水をはじまりを
からだの内に外に聴くとき
死すもの生まれしものの向こうに
そのままのそのままの花房を見る







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