鼻の奥の味/
まれ
瞳をとじて あかい海
金魚の鉢に くちづける
からからの ぷらんくとんを ばらまくと
ゆれる水面に さざめくひかり
プランクトンはぷくぷくみずを吸い込んで、
ぶくぶく息を吐き出して、私は。
ガラスのなかの赤、青、みどり。まぶたの裏でも跳ね回り、
膝を抱えて、躰丸めて、海の奥へ沈んでいった。
戻る
編
削
Point
(4)