雑感&書評『テクスチュアル・ハラスメント』/佐々宝砂
 
になんとする。

 この『テクスチュアル・ハラスメント』という本、オトコは読まなくていい。読んでもいいけど、読まなくていい。でも女性は読んでほしい、特に女子大生に読んでもらいたい。読んで、オトコの文脈でない、女の文脈の存在を知れ。それは必ずしも台所のものではない、必ずしも星と菫の甘い砂糖菓子じゃない、必ずしも大地のような力強い慈愛に満ちたものじゃない、生理的感覚にあふれた艶めかしい女性原理に基づくものでさえない、それらはすべて幻想に過ぎない。

 少女よ、地母でも処女でも娼婦でもない女性の目からみた女性の文学を知れ。そして少女よ、本とペンを持って戦え。そうだよ、今、すぐにでも。


*1 今は4編知っている、だからと言って全く自慢にはならない。むしろ恥ずかしい。

*2 もちろん森鴎外のこと。特に「舞姫」。なんであんなん教科書に載せるんや。

*3 この文章、吉屋信子のマネ。

*4 カギカッコ内引用は「男たちの知らない女」ジェイムズ・ティプトリー・Jr作より。
  『愛はさだめ、さだめは死』に収録。早川書房刊。


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