時計の針の音しか聴こえない/カンチェルスキス
 
聞かされた
 溶けてゆく体を信じていつまでも泣き寝入り
 薄い背中には車のフロントガラスの破片が刺さっている
 発射間際の花火に飛び込んで打ちあがったぼくは何色だ?
 発射間際の花火に飛び込んで夜空に打ちあがった花火には
 もうぼくはいない
 歩道橋を歩いていくぼくらの死の葬列が早く途切れますように



 ぼくは天使の輪っかを壊した
 とてもいい気分だ
 ライオンに食われて
 ぼくの血が 
 ライオンの口の中であふれていくのを
 ぼくは感じる
 





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