トイレの男たち/チアーヌ
 
かとばかりに繰り出してくるのだ。これが、泣かずにいられようか。俺だって、あんな女と知っていたら、結婚なんかしなかった。お見合いの話は俺にだって一杯あったのに・・・・。
というわけで、俺は朝からイライラしている。しているんだ。イライラしてるって言ってるだろ!
俺がむっとした顔で駅構内を歩いていると、乗客らしい男が寄ってきた。俺は立ち止まった。
「あのー、すみません」
「どうしました?」
「あのー、ちょっと外から見ただけなんですけど、そこのトイレに、下半身裸のヤツがいるんですよ。なんか様子がおかしいなと思って・・・」
「そうですか、わかりました」
俺はそう言いながらうなずくと、公衆トイレ
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