トイレの男たち/チアーヌ
あ、そう・・・」
そうなのか。ずいぶんいい調子だったんだな、俺。まぁいいか。過去のことで悩んだってしょうがない。俺は常に前向きな男だぜ。
しかし・・・。とりあえず、今の現実はなんとかしねえとな。
電話を切ると、俺は外の様子を探った。見ると、誰もいない。ちょうど、ラッシュの時間が過ぎたようだ。今しかない。
俺はズボンとトランクスを床から拾うと、手洗い場へ行き、とりあえず汚れものを洗い始めた。なんにせよ、そのままでは穿けないし、臭いし・・・・・。
俺はイライラしていた。朝からかみさんとケンカして、家を飛び出してきたからだ。
かみさんとケンカして、家を飛び出すなんて情けないと人は
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)