トイレの男たち/チアーヌ
死に走り込む。しかし、状況としてはもう、取り返しのつかないことになっていることを俺は頭のどこかで理解していた。
もう、ダメだ。
いわゆる、水状便ってやつなんだよな。
俺は、煙草に火をつけながらぼんやりと考えていた。
人間、我慢していたものを出した後って言うのは、ほんとぼんやりするよな。
最近、ハイライトからマルボロライトメンソールに変えたばかりの俺。しかし、今の気分にはロングピースが似合うぜ畜生。
しかしさあ、どうすりゃいいんだよ。とりあえず俺、このままじゃ会社に行けないじゃん。
俺の足元には、下痢便だらけになったスーツのズボンが転がっている。
この小汚い公衆トイレの中で、俺の
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