トイレの男たち/チアーヌ
んだ。
「お・ま・え・だ」
俺はゆっくりと息を吐き出しながら言った。
俺と若い男は、まるで銅像のように立ち尽くしながら、静かに睨み合った。
「ってゆーか」
若い男が言い始めた。さっきよりもワントーン声が低い。
「ひどくないですか?これって不慮の事故でしょ。俺別にわざとこんなことしたわけじゃないですよ」
「だからなんだって言うんだ。こんなにトイレを臭くして。恥ずかしくないのか。お天道様に申し訳ないと思わないのか」
若い男は逆ギレしたらしく、わなわなと体を震わせた。
「なんだよ、うるせえな!駅のトイレなんかもともと臭いじゃねえかよ。あんたにそこまで言われる筋合いはねえよ」
「もとも
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