改定・トリアゾラム0.125mg錠/人間
【一】
春の倍音。
その色素の薄い、一斤染された肌に、低気圧は粘るロを開き、螺子で巻いた舌を這わせる。
常識が全身で身悶える。
振動する音幅の内部には、不幸を装った透明な労働者が充満している。
収縮する体感時間の蠕動が、土くれを連ねながら私の肉に禍々しいセルライトを作る。
倍音がONになると春が禁色に変わり、仇がOFFになって常識が裏返る、
分化していくどんどん。
この、悪性腫瘍を身ごもった背中の上ではヨロズの神が丸くなっている。
この、未成熟の扁頭体から半分凍ったままの記憶がずるずると落ちる。
電信柱の陰から逃げる、
イチジク形の
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