水色のふた/mayaco
 
透き通る水色のふただった

おそらく夏に気づいたせいでしょう

見上げると光るその水色が
海の底でなくなったとき

少しなつかしい
バースデーケーキの香りがした


透き通る水色のふただった

空っぽの箱がそっと置かれる

思ったよりも小さなその箱を
もう一度だけ眺めていると

遠くて短い
オルゴールの音がした






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