雨が強くなってきたからといって雨の日の詩は書かない.doc/K+A
 
へ僕は帰る
仕事の終わったオジサン達が駅へ走って向かう様を
逆方向へ進む僕は眺めながらオジサン達は家が好き
と忘れないよう沈んでいく太陽に10回くらい呟いた

もう少しで家という所で唐突に蜜柑色の空が光った
気がしたのだが僕はそれよりゴロゴロと鳴り続ける
腹の虫をどうにかおとなしくさせようとそのことに
一生懸命になってたのでそれほど気にならなかった

 そして頭から爪先までびしょびしょに濡れて帰った
 息子ジャックをお母さんはもうしょうがない子ねと
 呟いて奥から大きなバスタオルを持ってきて小さな
 小さなジャックを包み全身を拭いてあげるのだった
 外に置いた自転車は錆付き遅くても今月中には絶対
 買い換えなければいけない様子で雫に打たれていた

雨が強くなってきたからといって雨の日の詩は書かない
それがジャックのポリシーであった
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