戦士/そう
鉄の車輪をゆっくり
まわして
また動きだす
僕の心が動きだす
その重さに耐えながら
決められたとおり
何時何分に
あの場所へたどり着くように
泣きながら
その涙の意味もわからず
動きだす
そこは僕の部屋のなかで
一歩、外にでれば
空気が、木々が、雨が
人が、声が
待っている
僕の心は
何かと乖離している
部屋の外にある
何かと乖離している
そこにあるすべてと
乖離している
僕の心は
すべてとつながろうとするが
そうすると
あの
空気や、木々や、雨や、
人や、声を
ナイフで切り刻んでしまうかもしれないので
人間的に人を殺してしまうかもしれないので
僕はまた動物のように
心を捨てて
純粋な心で、真っ白な心で
街へ駆けだす
僕は死を越えた
幾千光年の人間の死を越えた
僕は孤独な動物だ
暗い宇宙の端の
この地球に生きる愛そのものだ
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