雨/
佐藤伊織
また 音が する
また 雨のように
鉛色の空のせいで
部屋が暗くなるんだ
枕のそばに
携帯の点滅する光
また 音がする
雨が叩くように 戸を叩く幻聴を聞く
あれは そう幻聴なのだ
部屋から染み出していく
また 雨のように
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