萌える/tonpekep
 
曼陀羅という古代インド語が溢れ返る
山頂に辿り着けば
ちょっとだけぼくらは悟りを開いたような気持ちになる
長崎からやって来た宗教団体に紛れ込んで
擬似的真言密教徒になって
お授戒なんか受けたけれども
足が痺れすぎて
説法どころじゃなかった

石楠花が石楠花が石楠花

真っ暗な中で阿闇梨様が
そればっかりを繰り返していたような気がする

石楠花が石楠花が石楠花

開眼するなんて
ぼくには全然そんな色素はないけれど
痺れながらも
空海は確か遣唐使船に乗っていたことを
ちょっぴり思い出した
そして同じ船団に
最澄も確かに乗っていたことを
ちょっぴり思い出した
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