ろくでもないもの/アンテ
 

いちばんたいせつなものを
あぱーとのうえから
なげすてた
こなごなになって
あかいものがとびちった
なみだがだくだくこぼれおちて
でも
かぜにあおられて
じめんまではとどかなかった
ひとつしたのかいにおりると
なみだがぼろぼろ
こぼれおちて
でもやっぱり
じめんまではとどかなかった
またひとつ
したのかいにおりても
やっぱりだめで
というぐあいに
ひとつずつかいをおりるたび
じめんがちかづいたけれど
そのぶんだけ
なみだはへっていった
きがつくと
もうつぎのかいはなくて
ひろがったあかいもののにおいが
てつっぽくて
なみだはもういってきもでな
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