白い朝に/かや
 
枕と扇風機と
鳩のなき声は
味方だった
働きはじめる冷蔵庫のうなりに
あんしんして目を閉じた
夏の朝はいつも
まぶたを透かす白
レースのカーテンが波立って
飲み込まれる

眠らなきゃいけない夜と
目覚めなきゃいけない
朝が嫌いで

取り残されがちな私は
波の泡つぶを
掴んで逃がして
飛び立つのをみていた

うらやましかった
まだ 見限れなかった

生ごみに吐気がするということが
生きていくということなら
白い朝もやの中を
未だ
さまよっているんだろう
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