ケンジヨ/つきのいし.
 
人間がいつか骨になって消えてなくなることを初めて知ったとき
小さな私は庭に飛び出して
道路でバトミントンをしていた母に向って
「人間はいつか死ぬと?死ぬと? 私も死ぬと?」
と、何度もたずねながら ずっと泣いていました。

今はもうないけれど でも、やっぱりたまにフトンの中で
ハッと目がさめてしまう時があります。
不安とわけのわからない悲しさが膜のように
一瞬浮かんでくるのです。

私は大人になるのがいやです。
子供のままでいたいと考えています。
そう思っていました。
子供のまま 大人になれないか、
大人のままの子供になれないかと

でも 
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