ミュート/蝶番 灯
 
君は滅多に喋らない

余程の事が無い限り

僕は君の声を聞く事は無い

何時も僕が一方的に話すだけで

君は表情と相槌だけで

返事をする


君の長い長い前髪は

角度によっては君の目を隠す

その目はちゃんと僕を見ていてくれる筈だ

僕にはそれが判るのさ

僕が何も訊かなくても



君が何にも言わなくても

君が言葉にしなくても

お互い通じ合ってる

「愛してる」



恋にも沢山な色がある

そんなの気分や見方によっては

変わるし故意に変えられる

勝手な空想でしかない
[次のページ]
戻る   Point(1)