お人形の片想い/浅野 すみれ
 
お父さんとお母さんが嘘つくから、
橋を渡ってしまったんです。

−指を切っても、吸ってくれる人がいないのよ。

ボロボロのドレスを脱ぎ捨てても、
髪を金色に染めても、
わたしの意志はそこにはなくて、佇んでいました。

煙の中で生きるのは、結構勇気がいることなのよ。
血を吐きそうなくらい咳をしたって、
生理痛に比べたら、どうってことないじゃんって、
精一杯の強がりです。

もう、お腹が痛くなっちゃう!

やっぱりついていこうかな。
ついていこうかな。あの子に。
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