蜷川実香と僕の微妙な関係/似非写真論/mana
 
今、旬なフォトグラファーといえば、とりあえずはやはり蜷川実香なんじゃないかと思う。

蜷川と僕の関係というのはなかなかに微妙だ。「いいよねー! 蜷川実香!」って言っちゃえたらラクなのになーって思う。でも何かが僕に、そうストレートに言っちゃうことを許さないんだ。

僕の知る「蜷川実香の写真」は「桜井亜美の表紙を撮ってるひと」ってくらいのものでしかない。この桜井亜美も、何かと「読めって!」と勧められてはいるのだが、未だに読んでいない理由のひとつが、蜷川の装丁写真である。綺麗すぎるのだ。そして実際に中身を読んでいないからわからないのだけれど、なんとなく僕には「装丁が中身を食っている」ように見
[次のページ]
戻る   Point(2)