夕くれのソネット/tonpekep
この夕くれのひかりのなかに
ぼくはぼくをみうしなったりするだろう
そらの彼方のやさしいもの音よ
秋の風にさえぼくはこころを揺らしたりする
ぼくのであったものごとの全てに
ぼくは話しかけたりするだろう
琥珀のなかの虫のような時間に
とおい時間の声にさえぼくは緊張したりする
この夕くれのひかりのなかに
ぼくはいつのひにか聴くことを失うだろう
物思うことをなくすだろう
この夕くれのひかりのなかに
ぼくをさがしだすひともいるだろう
この夕くれのひかりのなかに
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