もぐら/恋月 ぴの
何だか最近こんな感じだね
ちょっと手を伸ばせば
君の優しさに触れられるのに
何故かためらってしまう
あのゲームと一緒かも
無数の穴凹から僕のあたまは
勢い良く飛び出しては
怯えたような顔をして直ぐに引っ込む
誰かを傷つけたくないって思いは
結局自分を傷つけたくないだけさ
自傷行為は暗い夜の淵から
「こっちへおいでよ」
と僕を呼んでいるけど
弱虫だから
こそこそ後ずさり
毎度毎度の逃げ腰って感じだな
手のひらの感覚は結構あやふやで
箱の中で掴んだのは、もぐらのしっぽ
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