親指姫/浅野 すみれ
 
青い枠にはお花の絵が似合う、と教えてくれたおじちゃん。
わたしはこんな風になってしまったのよ。

見えなくなっても、がっかりしないで。
ちゃんとあの靴を履いて見せるから。
わたしはおりこうでしょう?
おりこうでしょう?

浴びてしまったのは、きっとあの声だ。
失くしてしまったのは、きっとあの光だ。

でもね。オレンジの塔は存在していたのです。
目指して歩くことにします。

−あのね。もっとしてくれないと、登れないのよ!
 


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