愛おしい密葬/
A道化
、千秒がとうとう、秋に成り
秋でしかない果実の甘みに焦がれ惹かれれば惹かれるほど視力は
許して、と、宙に向かってくらくらと捩れてゆく、捩れてゆくだろう
嗚呼、秋に成れば、許しを乞いながら私は
あとどれだけの青空に耐えねばならないのか?
未だ硬い、既に確かな
夏でもない、秋でもない果実の、深緑の瀕死を
隠匿したい、ねえ、瀕死を、瀕死を
隠匿したい
2005.8.29.
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