椅子/たもつ
 
あなたの温かみと重みが
わたしの存在に加えられる
その重みで
わたしは少し沈む
ほんの少し
沈む、あなたのわからない程度に

支える四本の脚
と呼ばれている、それは
わたしの言葉
もしくは誓いのようなもの

あなたがいて
わたしは椅子
夜明けのリビング
わたしは確かにあるのに
無垢の木の床と擦れ
小さな産声もあげない



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