長い長い講堂の時間/うめバア
はじめは数百人規模の集まりだったと思う
広い講堂の中に集められて
長い話を聞かされた私たちは
みんな、退屈で、飽き飽きしてしまい
好き勝手な話をしていた
いろんな人の噂話とか
週末の予定とか
将来の夢、とか。
別に、本当に何かを考えていたわけじゃなくて
ただ、あふれるほどの時間を無駄遣いするのが
楽しかったから、そうしていた
そのうちに、
1人、また1人と
理由もなく、誰かが呼ばれて
大きな講堂を後にした
呼ばれた人がどこへ行くのか
それは誰も知らなかった
誰もが、どのみち似たような場所へいくだろうと
気軽に想像していた
知らない誰かが呼ばれている
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