よる/アンテ
 

くらやみのなか
よるがあけるまで
しっかりと
てをつないでいてくれたひと
そらが
すこしずつ
あいいろにそまる
そくどにあわせて
みちをあるいていくと
ちいさなばすていに
たどりついた
ちょうど
しはつがとまっていて
さあ と
せなかをおされて
かいだんをのぼった
いちばんうしろ
せきにすわって
とおざかるすがたを
わすれないよう
めにやきつけた
さよなら
さよなら
あのひとのてが
ふいに
しろくかきけされて
こきざみにゆれながら
ばすは
はしりつづけた
はしりつづけた



                          「よ」
                     あいまいなきもち


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