直観の疾走者/岡部淳太郎
いま
星の下で
明日のために
今日の色を決める
走りぬける
全力疾走の快感
それが俺を
白い荒野の上に立たせている
時には多大な収穫を
時には多大な疲労を
もたらす荒野
その謎の前で
俺は身震いする
ある時
天使が心の中に
降りてくる
そして少女のにおいは
獣のにおいであることを
俺に教える
たとえ神居古潭
(神々の住む村)
を横目に見る道の上にあっても
たとえ思いがマッケンジーの源流
イエローナイフに飛んでいても
あるいはひとり部屋の中
彼女
彼
かつて属した組織
街灯の数をかぞえながら
岩石の思い出に
うつつを抜かしていても
天使は
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